物件の探し方前置き①

お部屋探しのコツ 不動産

元不動産営業マンがお伝えする、賃貸物件の探し方。

2021年10月26日

賃貸物件(部屋)の探し方、自信がありますか?

「賃貸物件を探している方」や「これから探そうとしている方」はもちろんですが、「不動産の裏事情を知りたい方」にもぜひ読んで頂きたい記事です!

賃貸物件・情報について何も知らずに、また、不動産会社側の考えや事情を知らないと、自分が入居したい部屋ではなく不動産会社が契約させたい部屋に住む事になるかもしれません。

「いやいや、しっかりとたくさんの物件を見せてもらった中でこの物件が一番良かったし。」

「不動産会社の担当としっかりと話をして、一番良いお部屋に決めた。」

と仰る方も多いと思います。

もちろん、本当にそうかもしれません。

結果的に満足できる物件に入居出来れば何も問題はありません。

しかしながら、不動産屋の担当と話をしていく中で、どんどんと自分の常識や考えを『変えている』のではなく『変えられている』が可能性があります。

もちろん「不動産会社が契約させたい部屋=悪い物件」というわけではありません。

ただ、より自身に合う物件が見つかる可能性があるという事。

せっかく住むのであれば、より良い物件に住みたいと思うのは当然ではないでしょうか?

これからまとめる記事では、不動産会社に勤めていた経験から、下記2点について焦点を当てていきます。

1. 不動産側の情報をオープンにして、お引越しをする際に不動産会社が契約させたい部屋ではなく、自分が入居したい部屋に入居する事。

2. お部屋探しのポイントをお伝えする事によって、スムーズに良い物件を探せるようにする事

すごく丁寧に・分かりやすく接してくれる不動産会社・担当がいるもの事実です。

そのような担当・不動産会社へ当たるのは非常に幸運な事で、元不動産業界にいた人間がいうのも悲しいですが、なかなかそうはいかない不動産会社・担当が多くいるもの事実です。

ネットで口コミを見て初めから「良い不動産会社」目指すのも手ですが、「良い不動産会社ではない不動産会社」が多いので、ぜひ本記事を参考にお部屋を探す際の一つの武器として頂ければ幸いです。

それでは実際に物件を探して不動産屋さんへ問い合わせる流れをまとめていきます。

 

自分が住みたい物件(部屋)をネットで探す

インターネットで情報収集

今やインターネットが爆発的に普及している時代、「いきなり不動産会社に行く」というのは、よほど早く入居しないといけない人以外はしないのではないでしょうか?

まずはインターネットで情報収拾からのケースが一番多いと思います。

有名どころで言えば「スーモ」「アットホーム」「ホームズ」等のポータルサイト(検索サイト)で、どんな物件があるか&家賃相場を調べたりしますよね。

調べたのち、気になった物件をブックマークしたり掲載元の不動産会社へ問い合わせたりするかと思います。

さて、ここで問題です。

都内23区の人気エリアの場合、ポータルサイトに掲載している物件のうち、だいたい何%くらいがまだ実際に申込み等が入っていない(=募集中)でしょうか?

 

80パーセント?少なくみても70パーセントくらい?

 

 

 

正解は30-40パーセント程です。

いかがでしょうか、思いの外少なかったと思います。

つまり『ポータルサイトで見ている物件は、基本的に募集が終了していると思った方が良い』ということです。

 

なぜポータルサイトには募集終了している物件が多いのか、3つの大きな理由。

では、なぜ掲載されているのに実際は募集が終了しているお部屋が多いのかについて解説します。

理由その1 単純に物件の空室確認のタイムラグがある為

物件はいつ申し込みが入るか全く分かりません。

リアルタイムで申し込みが入ったかわかるのは、その物件を管理している管理会社もしくは物件を申し込んだ仲介会社だけです。

それ以外の不動産会社は、基本的にいちいち管理会社へ「空室確認」をしなければいけません。

※空室確認は、主に「管理会社へ電話」や「各管理会社の不動産業者専用サイトへログイン」して確認します。

 

膨大な物件を掲載している不動産会社にとって、毎日毎日物件の空室確認をしているなんて不可能です。

一般的には1物件につき2週間に1回のペースで確認しています。

4月1日に空室の物件をポータルサイトへ掲載した場合、次にまだ空室か否かを確認するのは「4月15日」です。それまでは基本的に確認はしません。

なので、4月8日にお客様からお問い合わせがあった場合、その段階では1週間ぶりに空いているかどうか確認します。

つまり、1週間のうちに募集が終了している可能性がある、ということです。

 

理由その2 実際に空室確認をしないまま、まだ「募集中」として更新している。

2週間毎に物件確認とはお伝えしたものの、正直なところ、その期間ですら理想的な空室確認期間です。

もちろん、空室確認はしないといけませんが、空室確認の優先順位は低いので、とりあえずまだ募集中ということにしておく。というのもあります。

店舗の営業を開始すれば、新規お客様の対応・既存お客様の追客(以前ご来店したお客様へ、新着物件を紹介する事)・申し込みしたお客様との連絡・契約手続き・契約書類の作成・新規物件の登録等々、やらないといけないことは山ほどあります。

その中で、空室確認自体は、出来なくでも業者側の実務上そこまで支障はありません。

なぜなら「空室確認が出来ない=物件が残ったまま=問い合わせが来る可能性がある」という構図が残るからです。

だからと言って誤った情報を流している可能性がありますので、決して良くありませんが。

理由その3 終わっているとわかっていてあえて載せている

この後詳しく記載致しますが、「ある呼び」と呼ばれるやり方です。

募集が終了している条件の良い物件でお客様を店舗まで呼んで、全く別のお部屋を紹介するやり方です。

賃貸営業はほぼ100パーセント反響営業ですので、このようにしても反響を得ようとする業者があるのも事実です。

続いて、実際に不動産業者へ問い合わせする際の注意事項を説明します。

 

実際に不動産屋へ問い合わせ

ポータルサイトで気になった物件があった場合、その掲載している不動産会社へお問い合わせをしてみてみましょう。

ただ、お問い合わせする際は「心の中では無いかもな」と思って頂いた方がまずガッカリしません。

もしあれば「ラッキー、すぐに内見に行かないと!」くらいの気持ちの方が良いです。

この段階では「ある呼び」に注意をしましょう。

「ある呼び」とは何か

不動産会社へ問い合わせした際「まだ募集中ですよ」と教えてくれても、本当にまだ募集中かは断定出来ません。

え? と思う方もいるかと思いますが、よく「ある呼び」と呼ばれる手法です。

「ある呼び」とは、お問い合わせ頂いた物件が終了(=申し込みが入っているor契約済)していたのにも関わらず、お客様には『まだ募集中ですのでぜひご来店ください』と話して、来店したら「ちょうど物件が終わってしまって」「ここの物件はここがマイナスだからおすすめ出来ないです」といった流れで、もともと問い合わせた物件は紹介されずに、別の物件を紹介する事を言います。

ひどいですよね。でもエンドユーザー(部屋を探している人)は、問い合わせた物件がある呼びかどうかなんてインターネットで調べても絶対に分かりません。

どうすれば良いでしょうか。正直なところ明確な判断基準はありませんが、ある呼びか判断する材料はあります。

「ある呼び」への対策

それでは、どのようにすれば「ある呼び」を回避できるか。

大きく分けると3つのポイントがあるので、この節ではそのポイントについて解説していきます。

 

ポイントその1 別の会社にも同じ物件を問い合わせてみる。

→ある呼びをする不動産会社もありますが、もちろんしない会社もあります。(ある呼びをしない会社の方が多いです。)

その為、同じ部屋を別の不動産会社が掲載している場合は、その不動産会社へ問い合わせするは有効な手段です。

問い合わせして、本当に募集中だったら来店しないといけないんじゃないの?なんて心配になるかもしれませんが、その点はご安心ください。

もし募集中だった場合でも、不動産会社から「いつ来店しますか?」と聞かれたら「考えてまた連絡します」と言って電話を切ってしまえば良いのです。

(もちろん、電話は丁寧に切るようにしましょう。結果的にその不動産会社へ問い合わせるに至った際、担当の態度が変わってきます。)

 

ポイントその2 物件を掲載している業者が1社のみ

お客様にとって魅力的で良い物件というのは、不動産会社からみれば、問い合わせが来る(=売り上げに繋がる宝)物件です。

そんな物件は色々な不動産会社が掲載したいと思うのは当然の心理です。

もし「すごく良い物件」でも1社しか掲載していなかった場合は注意しても良いです。

ただ、オーナーから直接物件を預かっている管理会社以外、他の仲介会社が広告掲載してはいけない物件(広告掲載不可物件)の場合は、掲載している業者が1社のみ(管理会社のみ)のケースもあります。

その場合は、次の3つ目のポイントを意識してみてください。

 

ポイントその3 不動産会社の住所が空中階か否か

実はこれもポイントになります。

空中階というのは、2階以上の事を言います。

簡単なイメージですが、空中階で営業している会社は、なかなかフラッとお客様は立ち寄ってくれません。ではどこで来店してもらうか、それは「インターネットで来店予約を取って来店してもらう」です。

なので、物件を掲載している業者が1社のみ、かつ、掲載している不動産会社が空中階に位置している場合はより注意すべきです。

もちろんすべての不動産会社がそういったわけではありませんので一概には言えませんが、空中階か否かと言うのは大きなポイントです。

以上「物件を探す〜お問い合わせ」についての注意ポイントでした。

それでは、実際に不動産屋さんへ行った際に気をつけるポイントをまとめていきます。

 

不動産屋さんに行った際に気をつけるポイント

不動産屋に訪れるタイミングは色々あると思います。

・インターネットで気になった物件を問い合わせたらまだ募集中だったから内見する

・引っ越しを検討しているエリアを歩いていて予約等せずに訪問する 等

不動産業者の考えを知らないと、自分が住みたい部屋ではなく、知らず知らずのうちに不動産業者が勧める部屋に入居する事になってしまうかもしれません。

本記事では、実際に不動産屋さんへ行った時に気をつけるポイントをまとめましたので、ぜひご一読頂けると嬉しいです!

まずは来店した際の受付時からお話していきます。

受付時

不動産会社を訪れたら、まずは受付表に「探している物件の条件」を記載するケースが多いです。

予約せずに来店した場合は関係ありませんが、物件を問い合わせて来店した場合は、受付表に必要事項を記載している段階で、問い合わせた物件が現時点でまだ内見可能か聞いてみましょう。

問い合わせた物件がかなり気になったいる場合は、受付表を書いたら先に案内してもらうのも一つの手です。

基本的に世の中に出回ってる物件は、別の不動産会社でも紹介ができるようになっているので、いつ募集が終わるか本当に分かりません。

気になっているのであれば、先に内見をして申し込みをした方が、結果的に良い可能性もあります。

 

不動産屋さんの担当から物件の提案

続いての流れとしては、担当者から色々と条件に合うor近しい物件を紹介してもらう段階です。

お客様側としては、「条件に合いそうな物件があれば全て紹介してくれる」という風にお思いではないでしょうか?

でも実際は違うケースがあります。

不動産屋側としては、「条件に合いそうな物件かつ、不動産業者にも得がある物件をメインに紹介する」ケースが多々あります。

不動産業者にも得がある物件とは一体なんなのでしょうか。

それは、広告料・ADと呼ばれるものが関係しています。

 

広告料とは

物件をご契約頂くと、仲介会社は入居者から、管理会社はオーナーから、基本的にそれぞれ賃料の1ヶ月分をもらっています。

(細かい説明は省略しますので、一般的な話としてお考えください)

広告料(以下、ADも同義)というのは、仲介会社が管理会社・オーナー側から手数料としてもらえるお金です。

広告料は物件によってあったりなかったりしますが、広告料がある物件は、賃料の50%・100%等、中には100%も貰える物件があります。

広告料というのは、仲介手数料と異なり、物件を宣伝してくれた手数料となります。

また、入居業務を一部委託する、業務委託料(という体で、実際にはほとんど何もしません)というものもあります。

どちらの場合も仲介手数料とは異なりますので、宅建業法でいうところの仲介手数料の上限金額とは全く関係ありません。

家賃10万円のお部屋A(広告料無し)とB(広告料:賃料の100%)があった場合、

Aのお部屋を仲介した際の売り上げは10万円×税で、11万円になります。

Bのお部屋を仲介した際の売り上げは10万円×税+10万円で、21万円になります。

不動産会社としては、AとBの物件で悩んでいるのであれば、Bの部屋でご契約頂いた方が会社としての売り上げ・個人の売り上げが大きくなりますので、お客様には最もらしい事を言ってBの物件にしてもらうように誘導します。

このように、広告料がある物件こそが、不動産会社にも得がある物件です。

色々なお客様や物件を見ているからこそ、この物件のここを進めればBの物件に申し込みしてくれそうだ。A物件のこのポイントを指摘すれば、A物件は検討から外れてB物件になりそうというのは分かります。

 

不動産屋が、とある物件を勧めてくる理由

それでは、不動産屋がとある物件を勧めてくる理由を大きく4つに分けて紹介いたします。

単純に条件が良い物件(物件がご希望条件にかなりマッチしている場合)

広告料が無い物件でも、決まらないより決まった方が良いので、かなりオススメの物件があった場合は全力でオススメします。

(よく「決め物(キメブツ)」なんで言ったりします。)

そういった物件の場合は、全力で乗っかりましょう。

日々物件を見ている不動産業者が「かなり良い条件と判断した物件」は、単純に掘り出し物になりうる可能性が高いです。

条件が厳しい中で、比較的良い条件の物件が見つかった場合

このようなケースももちろんあります。

お客様は相場感などがなかなか分からないのは仕方ない事なので、時々「この条件は良い物件は出てこないかな」なんて条件でお部屋を探されている方もいらっしゃいます。

東京都心で「賃料上限7万円、バストイレ別、独立洗面台付き、2階以上、鉄筋コンクリート、オートロック付き」なんて条件で探している方がいるとします。

私がそんな条件で物件を探しているお客様がいらしたら、そう言った物件はほとんどの確率で出てこないという事を丁寧に説明します。

その上で、たとえば「独立洗面台を無くせば見つかる可能性が高いですよ、都心ではなく少し離れればご希望に近い物件が出てくる可能性が高いです。」等とご説明します。

(もちろん、勤務先や交通便によって提案するエリアが変わってきます。)

部屋探しの条件やエリアを変えると、全てのご希望に添う物件とまでは言わずとも、わりと希望条件に近い物件が出てくるか可能性が出てきます。

 

そういった物件が出てきた場合、お客様にはその物件を進めます。

何せ希望に全て合う物件を探してても見つかる可能性はかなり低いですし、それによってお客様は引っ越せない+不動産会社としては売り上げにならない為です。

誰も得をしないのであれば、どこかしらで妥協点を見つけて入居してもらうのが一番です。

その為、何かしらの条件を変更して良い物件が見つかった場合、その物件を勧める傾向があります。

たまに、このお客様は引っ越しをしなくても良いんじゃないかと気づくタイミングもあります。その場合は現状を説明した上で、無理やり引っ越さなくても良いのではないですか?と提案もします。

お客様の時間を無駄にしないという点もありますが、いつまでも契約しないお客様を対応するより、別の仕事やお客さまを対応した方が効率も良い為です。

広告料が高い物件

この物件を決めれば売り上げがより良くなるので決めたがる傾向があります。

訪れた不動産会社が直接管理している物件

少し前で、仲介会社は入居者から、管理会社はオーナーからそれぞれ手数料をもらえると記載しましたが、

自社にて管理を委託されている物件に、自社で入居者を見つけた場合、管理会社は入居者側からは仲介手数料として、オーナー側から業務委託料等の名目(仲介手数料以外の名目)にて、それぞれ手数料を1ヶ月分もらうことができます。

つまり、広告料が100%の物件と同義になるということです。

 

このような考えがあると認識して不動産会社担当の話を聞くのと、何も知らずに話を聞くのであれば、聞き方が変わってくるかと思います。

さて、担当と色々物件について話して行くと、次に話題に上がるのは「どの物件を内見するか」です。

続いて内見についてお話しします。

 

内見にて気をつけるポイント

内見する物件の決め方

営業担当としては、出来れば1件だけ見て、その一件で決めて欲しいと思います。

なぜかと言いますと、内見する物件が多くなればなるほど案内に時間を取られますが、申し込んでくれる物件はその中で1件のみしかありません。

そもそも何件も内見したからといって、申し込みしてくれない可能性もあります。

 

営業担当としては、時間が掛かれば掛かる程、本来対応出来たはずの別のお客様の新規対応が出来なくなったり、追客が出来なくなったり、問い合わせ対応が出来なくなったりと、機会損失が出てくる可能性があります。

しかしながら、なかなか1件だけ見て決めきれるお客様はそう多くありません。比較検討できる物件と合わせて3件くらい案内行くことが多いです。

ちなみに、内見する3件が自分主体ではなく、担当主体で決めてしまったら注意が必要です。

担当が選ぶ3件の内訳は、

  1. 決め物件(担当の中では、この物件に申込みになりそうだと予想している物件。)
  2. サブ物件(決め物件に申し込みが入ってしまった場合は、この物件に申し込んでもらおうと予定している物件。)
  3. 良くない物件(こんな物件だと嫌だから、決め物件にしてもらおうとすることが目的の物件。そのような物件の場合、内見することが目的ではなく、決め物件をより魅力的に輝かせるのが目的です。)

が多々見受けられます。

 

担当によっては「物件A(決め物件)と物件B(サブ物件)はこのポイントが良いから、この2件は見るとして、後は物件C(良くない物件)のここを確認するために見に行きましょう」といった感じで言ってきます。

良くない物件を案内する方法としては、「ある程度室内外が古くても問題ないかを確認するために内見してみましょう」「水回りがこれくらい古くても大丈夫か見に行きましょう」と言った会話で誘ってくるケースが多いです。

(同じような価格で探しているのであれば、古いより新しい物件の方が魅力的に感じるのは当然です。)

 

確かに不動産屋担当ベースで案内してもらうのも1つの手です。

あまりに変な物件を紹介してしまうと、その不動産会社の評価に関わりますし(Googleのクチコミ等)、何よりその後に他の不動産屋さんに行って決められてしまったら売上がゼロになってしまうからです。

でも担当は部屋を探しに来た方の全ての考えを把握できているわけではありません。

最終的に物件の決定権者はお客様自身です。

できることなら、内見する物件は自分で決めましょう。

 

内見する物件の件数は?

内見したい物件が多いからといって、何件も何件も内見を希望しても良くありません。

色々物件を紹介してもらったとしても「この物件が良い」と思う物件を上位3つくらいに絞りましょう。

理由は簡単です。

「いつ物件が終わるかわからないから」

これにつきます。

少し前のページでご説明した通り、物件は基本的に申し込みした順で入居する権利が得られます。(審査などの詳しいところは割愛します)

ポイント

一番目に内見した物件:すごく希望に近い

二番目に内見した物件:まぁ良いかな、でも一番目の物件が良かった

三番目に内見した物件:この物件は無いな

と3つの物件を内見して、やっぱ一番目の物件が良いという結論に至っても、その結論に至った段階では、まだ申込手続きを行っていないので、別の方にそのお部屋を申し込まれる可能性があります。

 

 

申し込みたい物件が決まったら、事務所に戻って申し込み手続きをして、管理会社側に申込書をfaxやメール等で送らなければ1番手にてお部屋は押さえられません。

つまり、内見する物件が多ければ多いほど、良かった物件が誰かに先に申し込まれてしまう可能性が出てきてしまいます。

その為、内見する物件は多くても3件に絞って見に行くのが得策です。

かといって担当任せで選ぶのではなく、自分の意思で決めてみましょう。

そのなかで、担当者の意見も聞いて、最終的に内見する物件を決めれば良いです。

自分の意思で物件を決める時のポイントは、「内見して良かったら申し込みをするか否か」です。

・良い物件なんだけど、賃料が高くて手が出ない、でもどんな部屋か気になるから内見はしてみたい

・物件自体は興味ないけど、デザイナーズで内装が気になるから見てみたい

なんて理由で内見するのは時間が勿体無いですし、担当にも失礼になります。

 

内見時のポイント

内見は、自分が住みたいと思う部屋かをしっかりと見極めて判断しましょう。

内見時に注意する点としては、

・部屋の大きさ:想定の家具が置けるか

・収納の大きさ:荷物がしまえるか

・コンセントテレピ線の位置:この位置によって家具の配置がだいぶ決まってきます

・騒音がするか

・外部からの目線

・綺麗さ

が一般的なところかと思います。

 

え?採寸はしないの?とお思いの方もいるかと思います。

もし、持ってくる家具の中で、例えばドラム式洗濯機が入らなければ引っ越せない等あれば、ピンポイントで洗濯機置き場の採寸はしたりしますが、室内全体の採寸に関しては後回しです。

採寸するくらい気に入ったのであれば、先に店舗に戻って申込みした方が良いです。

あまり知られていませんが、申し込みしたからといって、その物件がもう内見できなくなるなんて事はありません。

申し込みをしたのちに一度内見することが出来るケースがほとんどなので、そのタイミングで採寸する事もできます。

良かった物件があれば申し込み手続きを、もしなければまた探すという流れになります。

 

申し込み手続きについて

申込みをしたい物件が出来れば嬉しいですよね。

でもまだ油断は禁物です。

申込書に必要事項を書いて管理会社へ送らなければ、お部屋を一番手にて申込む事ができません。

(申込んだ物件を案内してくれた会社が管理会社だった場合は、色々と融通を利かせてくれる可能性があります。)

必要事項を書き込んだ申込書と一緒に身分証明書を送れば入居は完了となります。

(物件によってはweb上で完結できる申し込み方法もあります。)

ちなみに、申し込みした物件が本当に良い物件なのか迷ってしまったら、申し込みした不動産会社とは別の不動産会社へ図面を持って行ってみる事をオススメします。

(セカンドオピニオンのようなイメージです。)

別の不動産会社へ行ったら、

「実はこの物件に申し込みしているんですけど、他に良い物件が無いかな思いまして」

という風に言えば問題ありません。

不動産会社からすれば

『良い物件が紹介出来れば申し込みがもらえる』と思うので、頑張って探してくれる可能性が高いです。

何故なら、新規のお客様から申し込みとるのは大変なのですが、

すでに申し込みをしているお客様の場合、申し込みという段階を踏んているので、申し込みに対する恐怖心が無くなっています。

つまり、良い物件がある=じゃあ申し込みをしようという簡単な構図ができるからです。

逆に言えば、その不動産屋で良い物件がなければ、申し込みした物件がいいんじゃないですか?ってなるわけです。

 

内見後に別の物件を探す

もし内見した物件が良くなかった場合は、また頑張って物件を探していきましょう。

ただ、もともと内見前に色々と物件を紹介してもらったなかで良さそうなものを内見して気に入らなかったので、そのほかの物件も気に入らない可能性大です。

その場合、担当は「エリアを変える(相場が安いところで探す)」「予算をあげる」「物件のグレードを下げる」等を提案してくると思います。

同じ条件で探していても、当然の事ながら同じような物件しか出てこないからです。

ただ、ここでも担当者ベースで変更する条件を決めるのではなく、自分の考えをしっかりと主張しましょう。

そうしないと、結果的に満足のいく物件に住む事はできません。

まずは内見した物件の何が気に入らなかったかを考えましょう。

 

・築年数が経っていて室内外が古い

・駅から遠い

・内装の割に賃料が高い

・バストイレ一緒でも良いと思ったけど、やっぱりバストイレ別が良い

色々考えられます。

その理由によって、次から探す条件を変えていきましょう。

築年数が経っていて室内外が古いのであれば、築年数を新しくして探してみる

ただ、築年数を新しくするだけで他の条件を変えなかったら、単純に物件が無くなってしまう(相場に合わない条件)ので、築年数を新しくする代わりに、予算をあげたり駅からの徒歩圏を広げたりします。

また、駅から遠い事を理由として物件が気に入らなかった場合、駅からの徒歩圏を例えば15分以内から10分以内にして探してみましょう。

ただ、この場合でも築年数のときと同様に条件をキツくしても物件が出てこなくなるだけですので、駅近に拘った分、賃料を上げるか物件のグレードを下げるかします。

最後に、予算も変えたくないし、設備も綺麗な方が良い、かと言って築浅出ないとダメだという場合は、思い切って探すエリアを変えるのも手です。

やはり人気なエリアは家賃相場が高いです。

なので、不人気なエリア=家賃相場が安いところで探せば、予算を変えず設備も綺麗、そして築浅の物件に出会える可能性が高くなります。

 

諸々お伝えしましたが、シンプルにお伝えすると、

「エリア(駅からの徒歩圏)」「物件の良さ」「価格の安さ」のどのポイントを一番優先させて、どのポイントを妥協点にするかを決めておくことによって、良い物件を選びやすくなります。

 

プロが部屋を探す場合

ここまで、注意すべきポイントを主にご説明致しました。

それでは、どのように物件を探すのが一番効率が良いのでしょうか。

もし私が不動産業者でなく、全く相場がわからないエリアでお部屋を探すとなった場合を仮定してお話致します。

(住みたいエリア・駅は決まっているという前提にて)

インターネットで物件情報をチェック

まずは物件検索サイト(スーモやホームズ等)で物件の情報収集をして、どのような物件が募集されているのかをチェックします。

ただ、掲載されている物件はあくまで参考までとして、どの物件もすでに申し込みが入っているだろうなと思いつつ物件を確認します。

情報収集の項目

① マンションタイプ・アパートタイプ、希望間取、独立洗面台等、希望条件で物件が出てくるか(物件数が多いか少ないか)

→ ①を確認する事によって、漠然としている相場観が少しわかるようになります。 

② 希望条件が少なかった場合、何かしら条件を変更すれば物件数が増えるか(独立洗面台を無くす、賃料を上げる等)

→ ②を確認する事によって、相場からずれて探していた場合、相場に合う物件を探す事が出来るようになります。

この段階では、本当に気になった物件があれば問い合わせしますが、基本的に物件の問い合わせはしません。

お問い合わせした場合でも、掲載元が1社のみであれば致し方ありませんが、2社以上の会社が広告掲載していた場合は、各不動産会社へお問い合わせをした場合は募集状況を確認します。

基本的には気になった物件があればブックマークもしくはスクリーンショット等でデータに残しておきます。(理由は後程お伝えします)

来店したい不動産会社をチェック

相場観やどういった物件があるかが何となく分かった段階で、次はどこの不動産会社が良いかをリサーチしましょう。

このリサーチ方法は2つあります。

グーグル評価を確認

最近はグーグル評価に力を入れている不動産会社も多く、成約時にグーグル評価に登録欲しいとお願いされるケースもあります。

とはいっても、対応が嫌だったところであれば星4-5はつけない事は想像に難くありませんので、ぜひグーグル評価を一つの基準にして頂ければと思います。

不動産屋さんの立地(階数)を見る

探しているエリア・駅近くに店舗があり、1階にお店を構えている不動産会社を探します。

2階以上に位置している不動産会社が必ず悪いというわけではありませんが、1階に位置している不動産会社の方が昔から地場で営業し、管理物件を多数所有しているのでゴリゴリの営業をしてこない可能性が高い事が想定できます。

ゴリゴリの営業会社であれば、先にご説明した「AD・広告料目当て」が多く、変な物件を紹介されるケースが想定できます。

また、地場で営業している方が、内見に行く際に移動時間が少ないので多くの時間を取られない事や、そのエリアの賃貸事情に詳しいです。

不動産屋さんへ予約を入れる

そのように訪れる不動産会社が決まったら、店舗へ電話orインターネットで来店予約を取ります。

直接訪れても手が空いていれば対応してくれますが、先に予約をしていた方がスタッフとしても「これから接客するぞ」と心構えが出来るので、気持ちに余裕が出来て良い接客をしてくれる事が多いです。

飛び込みで来店があった場合、何か事務作業をしていてもそれらを中断して接客に入りますので、タイミングによってはなかなか接客に気持ちを入れてくれなかったり、心の中で「あの作業したかったな」と考えられると、早く接客を終わらせたなんて思われる可能性があります。

不動産屋さんへ入ったら

お店に入ったらまずはお店のルールに従って受付表を記載します。

予算に関しても、時々安いと恥ずかしいからと少し高めに設定する方がいますが、結果的に払えないのであれば探すだけ時間の無駄になってしまいますので、賃料上限は無理ない範囲で書きます。

安いからといって恥ずかしいなんてありません。

探している条件の記入、担当者と現状を話し終わったら、ネットで見つけた良さそうな物件を見せて、まだ募集しているかを聞きます。

(気になった物件をブックマークもしくはスクリーンショット等でデータに残しておくのはこの為です)

ブックマークに残しておくと、掲載終了と同時にブックマークも切れてしまうので、スクリーンショット等写真がオススメです。

※写真を撮る際は、物件の住所・賃料がわかるところにしましょう。

検索サイトで募集されている物件の多くはどの不動産会社でも紹介が可能ですので、信頼できると感じた担当へ問い合わせ窓口を一元化した方が早いです。

来店時にリアルタイムで募集状況を確認してもらえば、すぐに内見が出来たり申し込み手続きが出来たりと良いことづくめです。

来店日当日に物件が決まらなかったとしても、検索サイトで見つけた気になる物件は担当へURL を送って募集状況を確認してもらうようにします。

ただ、一点注意頂きたいこととしては、なんでもかんでもURLを送って「募集状況を教えてください」と連絡ばっかしていると、かなり面倒くさがられます。

(調べるのも時間と手間が掛かってしまいますので)

後は、今までの章でご説明した各注意点を踏まえて物件を決定します。

 

おわりに

いかがだったでしょうか?

「部屋探し」というのは、一般的にはそうそうあるものではありません。

慣れないからこそ、考え過ぎて疲れたりすることが多いと思います。

そう言った中でも、本記事に記載した内容を頭の片隅に置きつつ不動産会社を訪れれば、きっと想像よりもスムーズに部屋探しをすることができると思います。

思った以上に長文になってしまいましたが、少しでもお部屋探しのお力になれれば幸いです。

長々とお読み頂きありがとうございました!

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