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中国と台湾の関係を、分かりやすく・簡単に解説

2022年1月29日

時々新聞で「中国」「台湾」というキーワードを目にするようになった気がします。

対立しているんだとフワッとしたイメージだけの方も多いと思いますので、今回はそんな『中国と台湾の対立関係』について解説していきます。

シンプルで簡単に分かる、中国と台湾の対立関係

中国と台湾が対立している理由

中国と台湾の対立は、お互いの主張の違いに原因があります。

それは、

中国は『台湾は中国の一部である(一緒になろう)』

台湾は『断固として国家主権を守る(別々がいい)』

として、中国は台湾も自国に加えて一つの国にしたいのに対して、台湾は中国とは距離を置きたいという溝です。

そもそも台湾は「国」なの?

実は、台湾を「国」として承認している国と承認していない国があるので、その国によって台湾の認識が変わってきます。

日本は台湾を国とは承認してはいませんが、極めて重要なパートナーとの認識を示しています。(2020年安倍政権時)

国によって台湾を「国」として承認・不承認が分かれているので、争いになる事は想像に難くありません。

よく分かる中国と台湾の対立関係

中国と台湾が対立している理由は、「中国としては、台湾は中国の一部である」という認識と「台湾としては、中国とは別の国である」という考えの溝から生まれています。

そもそもどうしてこのような溝が生まれたのかを見ていきましょう。

政権の争いが中国・台湾対立の始まり

中国と台湾は元々同じ政党が統治

「同じ政党が統治」という言葉を解説するよりも、先に台湾の歴史についてまとめた方が分かりやすいと思いますので、言葉の意味は後ほど解説します。

台湾:占領される歴史
□ 原住民族からオランダが支配

台湾には元々原住民族がいましたが、台湾の戦略的重要性に気がついたオランダが16世紀頃から台湾を領有し、東アジアにおける貿易・海防の拠点としていきました。

□ オランダを鄭氏政権が攻撃

オランダが支配していた台湾を、鄭成功(ていせいこう)が攻め、オランダを台湾から撤退させる事に成功。その後に鄭氏政権(漢民族政権)を樹立しました。

【鄭成功が台湾を攻めた理由】

李自成の反乱という反乱によって明朝が滅亡した後の中国に、満州族の王朝である清が成立しました。

これに対し明朝の皇族・遺臣(鄭成功は遺臣)たちは「反清復明(満洲族の国家である清に反対し、漢民族の国家であった明を復興させようとする意味)」を掲げて清朝への反攻を繰り返したが、1661年に清軍により鎮圧されてしまいます。

中国大陸での「反清復明」の拠点を失った鄭成功の軍勢は、清への反攻の拠点を確保するために台湾への進出します。

分かりづらいかもしれませんので、漢民族(鄭成功)vs満州族(清)というイメージを持って頂くだけでも良いかと思います。

鄭氏政権から清が支配

中国全土とモンゴル平原を支配していた清朝は、台湾の反清勢力であった鄭氏政権を滅ぼし、台湾を領有するに至ります。

元々 清は鄭氏政権を滅ぼす事を目的として台湾に侵攻しただけだったものの、軍事上の観点から領有することを決定し、清が支配する事になりました。

□ 清から日本が統治

その後、日清戦争に勝利した日本によって、今度は日本に占領されます。

□ 日本から中華民国が統治

第二次世界大戦に敗北した日本は台湾を手放し、当時中国大陸にできていた「中華民国(中国国民党)」の領土に台湾が編入されました。

「中国と台湾は元々同じ政党が統治」という意味

ここまで台湾の歴史を見てきましたが、台湾というのは色々な国によって占領・統治がされてきたというイメージを持つことが出来ましたでしょうか。

このイメージを持って頂いた方が、この後の説明が分かりやすいかなと思い、先に歴史を解説致しました。

この『「中国と台湾は元々同じ政党が統治」という意味』というのは、元々は中国大陸側も台湾側も「中華民国」が実験を握っていたしていたという事です。

その為、日本が第二次世界大戦で敗北して台湾を返還する際に、「中華民国」の領土になっているわけですね。

中華民国の内戦(国民党vs共産党)

元々「中華民国」は国民党が実権を握っていましたが、大陸側にて国民党vs共産党の内戦が起きます。

結果としては、共産党がこの内戦で勝利して大陸に居座り、敗北した国民党は大陸側に居れなくなり台湾(島)に逃げます。

このように、国民党政権と共産党政権での対立というのが非常に大きなポイントです。

2つの政権がそれぞれ独立し、中国が2つに。

台湾(島)に逃げた国民党政権は台湾にて『臨時政府』を置きます。

逆に、大陸の共産党政権は大陸にて『中華人民共和国』を成立を宣言します。

どちらも「自分たちが正しい中国」と主張していましたが、現在では『臨時政府 = 台湾』『中華人民共和国 = 中国』となっています。

この政権の溝が中国と台湾の溝に繋がっているわけです。

ごちゃごちゃになってしまうと思いますので、簡単に説明しますが、

中華民国(元は国民党)= 台湾

中華人民共和国(共産党)= 中国

となります。

なぜ中国は「台湾を中国の一部」としたがっているのか

色々調べてみたのですが明確な答えがなかったので、私なりの考えをまとめます。

中国が分裂しないようにする

中国は国土が非常に広く様々な民族が暮らしています。

もし台湾を一つの国として認めてしまうと、中国国内で我も我もと独立運動が起こり、中国がまとまらずに分裂する可能性があるからだと考えられます。

中国共産党としてのアイデンティティを守る

中国は言わずもがな中国共産党が実権を握り、社会主義の国家として存在しています。

ただ、台湾は民主主義へと変わっていきました。

中国の歴史は共産党の歴史であり、台湾を認めるというのは=(イコール)民主主義を認め、中国・共産党の歴史の否定となってしまう。

その為、中国は台湾を認めるわけにはいかないとも考えます。

ただ、ここで一つ認識頂きたいのは、中国は今まで一度も台湾を実効支配したことがないということです。

その為、本記事では台湾は中国から独立という意味よりも建国という意味の方が適切かなと思っています。ただ、建国だとなかなか分かりづらいので、「独立(建国)」というワードを使用しています。

台湾は中国から独立(建国)したいのか

独立(建国)派・現状維持派・統一派に分かれる

台湾は中国から独立(建国)を目指しているのかと言われると、全ての国民がそういう訳ではありません。

中台関係のアンケート(2021年7月)では、

「現状維持がよい」との回答が55.7%(「現状維持」の中で「永久に」は27.5%、「当面」は28.2%)。

「台湾独立がよい」は31.4%(「独立」で「直ちに」は5.6%、「独立に向かう」は25.8%だった)。

「統一がよい」は7.4%でした。(共同ニュース)

となっております。

台湾の若い世代は「現状維持」を意識。

そもそも国際政治の視点から見ると、現段階で台湾は独立(建国)している。

台湾は自前の政府と軍隊を持ち,住民による大統領選挙を実施している為、国際政治の視点から見ると,今現在,台湾は中華民国という名で「独立(建国)」しているのも一つの事実です。

(台湾に欠けているのは国際的な承認だけです。)

「台湾」で生きているという固定概念がある。

なので、今を生きている人からすれば、事実は「台湾という国」で生きているというのが固定概念として存在します。

歴史を生きてきた人たちは、中国から独立(建国)したいという意志が強いものの、物心ついたときから台湾は中国とは別個の存在だった若い世代では今さら独立も統一もないと考えるのが普通です。

その為、そんな若い世代が望むのは当然のごとく「今のまま=現状維持」となります。

わざわざ自分達の日常を壊すような、「独立(建国)」「統一」は目指さないですよね。

以上、中国と台湾の対立関係について解説していきました。

中国と台湾については、今回は関係にフォーカスを当てて記事にしましたので、別の機会に現状にフォーカスを当てて記事にしようかなと思っています。

 

参考資料

・SWI

・ウェッジ

・日本放送 NEWS ONLINE

・プレジデントオンライン

・マネー現代

・NIKKEI STYLE

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