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クリミア半島問題について分かりやすく簡単に解説

2022年1月14日

3行でわかる、クリミア半島問題を簡単に解説

ロシアによるクリミア併合

様々な国は認めていませんが、ロシアが一方的にクリミア半島のロシア領土化を行い、これが問題となっています。

他国との対抗

前述の通り、ロシアのクリミア併合は多くの国々が認めていない状況となっています。

その為、「併合を認めない国々vsロシア」という構図が出来、争いの火種となっております。

よく分かる「クリミア半島問題」

ロシアがクリミアを併合した理由

歴史的な背景

クリミア半島は元々ロシア領でしたが、1954年に当時のソビエト最高幹部会は、ロシアからウクライナへクリミアを移管する事に決定しました。

一つの説では、ウクライナの血を引いた連邦最高指揮官ニキータ・フルシチョフが「贈り物」として、クリミア半島を送ったとされています。

当時はロシアもウクライナもソビエト連邦に属していたので、大きな問題等はなかったものの、1991年にソビエト連邦の崩壊が起こり状況が変わります。

ソ連が崩壊した際、ウクライナは独立を果たしますが、これによりロシアとウクライナの間にクリミア領土問題が出てくるようになります。

クリミア側はロシアへの帰属意識が高い人々が多くウクライナが独立してからすぐにクリミア州議会は「クリミア自治共和国」としてウクライナからの独立を宣言します。

ロシア側としても過去自らの領土だったこともあり、取り戻りたいと考えているとされています。

クリミアの位置における重要性

クリミア半島の南西部にある「セヴァストポリ」は、重要な海軍基地、商業港として発展してきたので、ロシアとしてはこのクリミアを自国内に入れておきたいという思惑があります。

クリミアを併合した方法

「クリミア自治共和国」と「セヴァストポリ特別市」は、2014年ウクライナ騒乱ロシアのクリミア侵攻を経て、ロシアへの編入かウクライナの下での自治権拡大かを問う住民投票を実施しました。

結果的に、ロシアへの編入賛成多数であったことを受けて、ロシアとしての編入手続きをするに至りました。(クリミア併合)

この住民投票には、「ロシアへの編入」側の不正が疑われていますが、結果は変わらずロシア編入にて進みました。

ウクライナ騒乱とは

2014年2月にウクライナ首都キエフで勃発した「ウクライナ政府側(親ロシア側)」と「ユーロマイダンデモ参加者(EU側)」の暴力的衝突のことを言います。

結果としてユーロマイダン運動側が勝利、新たな政権の発足(第一次ヤツェニュク政権)しました。

それにより当時のヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領(親ロシア側)が失脚し、隣のロシアへ亡命することになリました。

ユーロマイダン運動側の勝利は、新政権の発足の他にも多くの成果をあげており、ウクライナの社会・政治に膨大な変化をもたらした。

一時的に大統領は代行はオレクサンドル・トゥルチノフが勤め、約4ヶ月後には投票により親EU派のペトロ・ポロシェンコが大統領となった。

一方、親ロシア派のヤヌコーヴィチ大統領の失脚はロシアの猛反発を招きウクライナ領のクリミア半島のロシアによる併合と親露派武装勢力によるドンバス地方に於ける戦争の勃発をはじめ、国際的紛争の火種ともなった。

ロシアとしては、味方(親ロシア派の前大統領:ヤヌコーヴィチ大統領)が追いやられて、いい気がする訳ないですもんね。

ちなみに、ドンバス地方はウクライナの東南部に位置する地方である。

Wikipediaより

地図から見て頂いてもわかるように、ロシアがとても近く、親ロシア派の非常に多い地域となっています。

ロシアに対する、クリミア問題への各国の反応

2014年2月28日にウクライナは「ウクライナの領土保全を脅かすクリミア自治共和国における状況の悪化」を理由に国連安保理緊急会合の開催を求める訴状を提出しました。(ウクライナ騒乱)

この訴状を受けて3月15日には安保理会合が開催され住民投票を認めないよう国連加盟国に求める安保理決議案が採決されたが、この決議案はロシアの拒否権行使により否決されました。

そこで3月27日にこの安保理決議案とほぼ同趣旨の国連総会決議68/262が採決され、賛成100、反対11、棄権58(欠席24)で採択された。

安保理におけるロシアの拒否権とは

安保理において、実質事項について決議が有効となるには、理事国15か国のうち常任理事国全てを含む9理事国の賛成を要する必要があります。

大国の反対により理事会の決定の実効性が失われるのを防ぐ事を趣旨とするもの(大国一致の原則)ですが、逆に常任理事国のうち1か国でも当該決議案に反対すれば、他の全ての理事国が賛成しても否決されてしまいます。これを安保理での拒否権と言います。

安保理での拒否権は、国際連合発足以来一貫して安保理常任理事国(アメリカ合衆国・中華人民共和国・イギリス・フランス・ロシア連邦)のみに与えられている。

つまり、安保理常任理事国のロシアが一国で拒否しただけで否決されるという事です。

ロシア主導でクリミア併合を行なっているのに、拒否するなんてあり得ません。その為、安保理側はほぼ同趣旨の国連総会決議68/262を採択・決議する流れとなりました。

国連総会決議68/262の決議内容

  • ロシアがクリミア自治共和国とセヴァストポリを併合する上での根拠とした2014年3月16日の住民投票の無効
  • すべての加盟国国際機関国連専門機関に対して、武力の行使や威嚇によってウクライナの国境線を変更したりウクライナを分割するクリミア半島の地位変更の不承認
  • 関係国に対して、政治的対話による状況の速やかな平和的解決

アメリカ・日本・韓国・ドイツ等、多くの国が非難し、国によっては非難のみでなく制裁も課しています。

ただ、大国の中国はアメリカの制裁措置を非難しロシア寄りに近い立場となっており、インドも中立な立場を取っているとプーチン大統領に伝える等、避難していない国もある。

※ 日本はビザ発給簡素化に向けた協議、投資や宇宙、軍事活動などに関連した締結交渉の開始を凍結する。クリミア問題の関係者の資本凍結といった制裁措置を発表している。

さいごに

今まであまり知らなかったところでも世界は動いていて、実はバチバチの冷戦関係だったなんてと驚くことがあります。

何気なくニュースや新聞で「クリミア」「ウクライナ」という文言を見ていましたが、その言葉の背景にはこんなにも多くの問題・多くの国を巻き込んだ問題というのは決して目を背けてはいけないですね。

今後の動きにも注目しつつ、無事に落ち着く事を願っています。

↓ 「クリミア問題」に非常に近い「ウクライナ問題」についても分かりやすさを意識して記事にしています。お時間があれば、ぜひ併せてご一読ください!

参考

経済産業省

GLOBE+

yahoo news

Wikipedia.

ロシアによるクリミアの併合

ドンバス地方

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