一帯一路

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「一帯一路」についてわかりやすく解説

2021年12月8日

先日、本ブログにて「自由で開かれたインド太平洋」について解説しました。

今回は「自由で開かれたインド太平洋」は中国の「一帯一路」政策に対抗するものではないかというお話から、「一帯一路」について解説していきます。

30秒でわかる、「一帯一路」について分かりやすく解説

「一帯一路」とは何か

中国が推進している、国を跨いだ経済圏構想の事です。

2013年に習近平国家主席が打ち出した構想です。

「一帯一路」の目的

アジアとヨーロッパを陸路と海上航路でつなぐ物流ルートをつくって、貿易を活発化させ、経済成長につなげようというものです。

よくわかる、「一帯一路」について解説

「一帯一路」の目的

中国を起点としたアジア〜中東〜アフリカ東岸〜ヨーロッパのルートを、「一帯」と呼ばれる陸路と「一路」と呼ばれる海路によって結ぶことで、エリア全体における経済的協力関係を構築するという、中国の国家戦略とされています。 

ただ、これは表面上の可能性が高いと思っています。

実際のところ、下記【なぜ中国は「一帯一路」を推し進めるのか】でお伝えする内容が本音の部分ではないでしょうか。

なぜ中国は「一帯一路」を推し進めるのか

世界の覇権争い

中国主導で経済圏を作り、世界経済の覇権を中国が取ろうとしているとされています。

国内での資材余りも理由に

2013年までに中国が行ってきた、甚大な国内投資から生み出された過剰な生産能力を輸出し、国内で行き詰まった経済成長を国外に広げることで、国内の生産余剰問題を解消する、新たな経済戦略であると言われています。

リーマンショック時、中国は4兆元(約57兆円)を景気対策資金として国内の様々なインフラ設備に使用しました。

ただ、一定ラインを超えると、鉄やセメント等の資材か余ってきます。

その為、理由をつけて海外のインフラ設備に資材を回してしまえば効率が良いということです。

「一帯一路」の危険性

中国をリーダーとして動いている「一帯一路」。

発展途上国にはインフラの設備が整ったりとメリットはありますが、時間が経つにつれてデメリットの大きさが目立つようになった印象です。

融資先の国がお金を返済できない

中国主導で始まった『AIIB(アジアインフラ投資銀行)』、中国が独自に創設した『シルクロード基金』が、「一帯一路」を資金的に支えている機関となっています。

※『AIIB』は複数の国により設立された機関ですが、『シルクロード基金』は中国が独自に設立した機関という違いがあります。

その為、『シルクロード基金』は、中国の目線のみで考えて、投資先を決められるという、ある意味怖い機関です。

これらの機関により、発展途上国へお金を貸し出し、インフラ設備を整えている状態です。

ただ、もちろん借りたお金は返さなければいけません。

しかしながら、インフラ設備を整えて得られるであろう利益が想定外に得られず、お金を返せない国が出てきています。

「債務の罠」の発生

お金が返せなければ、政策や外交等で圧力を掛けられてしまいます。

例えば、融資して新しく出来たインフラの使用権渡したり、軍事的に協力したりする事です。

これらの事を債務の罠と言います。

「一帯一路」における『債務の罠』の有名な事例としては

【スリランカのハンバントタ港の運営権を中国に譲渡した事例】です。

スリランカは、中国から融資を受けて自国内にハンバントタ港という大規模な港を建設したものの、借入金の返済に行き詰まってしまい、中国企業にハンバントタ港の運営権を99年間引き渡すことになったのです。 

一帯一路が進むと、中国がより強大な力持つのは言うまでもありません。

それに対抗して設立されたのではと言われている「自由で開かれたインド太平洋」。

今後の展開にも注目です。

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