「半導体不足」の深刻化が継続していますね。
元々はそうなんだーくらいと認識していた方も
・故障した家電を直せない
・白物家電の品薄状態が続いている
・自動車の納品が出来ない 等々
様々な身近にある問題として認識しないといけなくなりました。
今回は、
・なぜ半導体不足が深刻化しているのか
・そもそも半導体とは何か
・いつ解消するのか
の3点に焦点を当てて解説していきます。
なぜ半導体不足が深刻化しているのか
「自動車の納期が遅くなっている」「半導体が不足しているから家電が買えない」という話は聞きますが、実は『自動車系の半導体不足』と『自動車系以外の半導体不足』は、深刻化している理由が共通している部分と少し異なる部分があります。
まずは半導体が不足している理由からお伝え致します。
(本来であればより細分化できるのですが、ここではよくニュースに出てくるワードをメインに解説していきます。
また、半導体が不足している理由は今回ご紹介させて頂くもの以外もありますが、ここでは大まかな理由を記載します。)
半導体不足の理由
半導体が不足している、大まかな共通の理由
・半導体メーカーの予想が外れる
・コロナパンデミックによる半導体工場の閉鎖
・半導体工場での火災
・台湾での干ばつ
『自動車系の半導体不足』の理由
・車部品メーカーの半導体需要の読み間違え
『自動車系以外の半導体不足』
・テレワーク&巣篭もりの影響で、パソコン等 機械類の需要増加
「半導体不足の理由」について詳しく解説
それでは、各項目について解説していきます。
半導体が不足している、大まかな共通の理由
・半導体メーカーの予想が外れる
→ コロナが流行したことにより、半導体メーカーは経済が停滞すると予想し、それに伴い需要が少なくなると考え、生産や設備投資を抑制した事で供給が少なくなってしまいました。
ただ、結果的にはテレワークや巣ごもり生活によってパソコンやテレビ、冷蔵庫といった電子機器の需要が急激に増加した事に加え、自動車産業の急速な回復もあり、あらゆる業界からのニーズが拡大し、仕入競争が生じてしまいました。
・コロナパンデミックによる半導体工場の閉鎖
→ コロナウイルスにより工場が閉鎖され、半導体の納品がストップしてしまいました。
・半導体工場での火災
→ 日本の半導体メーカー大手の「旭化成エレクトロニクス」と「ルネサスエレクトロニクス」の工場で火災が発生してしまい、この火災でも供給不足に拍車をかけることとなりました。
・台湾での干ばつ
→ 半導体の製造には大量の水資源が必要になるのですが、半導体の製造が盛んな台湾では2020年に干ばつによる水不足が深刻化してしまい、工場の稼働停止が相次いでしまったのも原因となります。
『自動車系の半導体不足』の理由
・車部品メーカーの半導体需要の読み間違え
→ 自動車・部品のメーカーは将来の需要を見越して半導体の製造依頼をするのですが、自動車の需要が急回復するとは予想しておらず、車用の半導体をつくるメーカー側も含めかなり慎重な計画を立てていました。
その為、予測していた半導体の需要と、実際に必要な半導体の需要に差があり、半導体不足となってしまいました。
『自動車系以外の半導体不足』
・テレワーク&巣篭もりの影響で、パソコン等 機械類の需要増加
→ コロナウイルスの影響により、デジタル化やそれに伴うインフラ整備が世界的に加速しました。
テレワークや自動化が注目を増した結果、PCやスマートフォン、サーバーといった半導体を使用している機器の需要も大幅に増大したため、半導体の生産が追いつかなくなってしまいました。
そもそも半導体とは何か
半導体について簡単に説明
半導体とは、電気を良く通す金属などの「導体」と電気をほとんど通さないゴムなどの「絶縁体」との、中間の性質を持つシリコンなどの物質や材料のことです。
この2つの性質を持つことにより、電気を通したり、通さなかったりする事が出来る様になります。
電気を通すor通さない性質により、コンピュータに「0」と「1」の情報を伝え、様々な計算や情報をあつかうことができるようになります。
どういうところに使用されているか
実は、半導体は日常のほとんどの機械に使用されています。
・スマホ等の通信機器
・冷蔵庫
・照明器具
・自動車や電車
・医療機器 等
半導体は現代に必須な技術・部品となっています。
逆に、今だと使用されていない機械を見つける方が難しいくらいです。
半導体が使われていない機械類だと
・白熱電球
・蛍光灯 等
数が少ないですが、調べても全然出てこないくらい少ないです(笑)
それほど日常に溶け込んでおり、無くては生活がままならなくなるような存在が半導体なんですね。
半導体は「産業の米」と言われていますが、その所以が痛いほど分かります。
いつ解消するのか
解消時期はまだ不明確
大手半導体メーカーと言われるNVIDIA社曰く、2022年の下期or末頃までには、半導体不足がある程度やわらぐとの見方を示しています。
ただ、導体受託生産のトップは半導体の用途急拡大や生産能力引き上げに要する時間を考慮すれば年内に供給不足が緩和することはないだろうと指摘しており、「2年後までに供給問題が解決するとは想像しにくい」とオンラインフォーラムで言っていました。
各社・専門家ともまだまだ情報とした「いつくらいには解消するだろう」という明確な時期は出ていない状況となっています。
解消に時間が掛かる理由
半導体を作る地域に偏りがある
世界の半導体の87%が台湾、韓国、中国で生産されており、半導体を作る地域はアジアに偏っています。
※ 半導体チップの54%は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング社(TSMC)が製造。
そうなってくると、当然 需要が集中しても生産能力を急に上げることはできません。
参入障壁が高い
半導体を作るのにはかなりの工程・技術を要します。
その為「生産を上げる為に工場を作ろう」と決めても、実際に稼働できるようになるまでには時間が掛かります。
という事で、今回は半導体不足問題について解説していきました。
出来るだけ早めに半導体不足が解決することを願って、今回の記事は以上となります!
参考資料
・NHK