「竹島」「独島(竹島の韓国語)」関係で日本と韓国が争っているというニュースや新聞をよく見聞きします。
今回は「竹島問題とはなんなのか」という疑問を解決していこうと思います。
※分かりやすくする為に、以下の文では独島は使用せずに竹島のみを使用します。
【1分でわかる】竹島問題を簡単にまとめると
まずは流し読みでわかるように、とってもシンプルにまとめました。
竹島問題とはなんなのか
竹島周囲の排他的経済水域の漁業権などがからんで、日韓の間で竹島の領有権を巡って紛争が続いている問題を言います。
竹島は水に乏しく経済的な価値はほとんどありませんので、いきなり多くの情報は入れたくない!という方は、現在は漁業権をメインに争っているんだと思って頂ければ大丈夫です。
なぜ日本と韓国が争っているのか
過去の資料や歴史を基に、日本・韓国それぞれが自分の国土だと主張している為です。
現在の竹島はどうなっているのか
現在は韓国による実効支配が行われており、軍事要塞化を進めている。また韓国海軍や海洋警察庁がその領海海域を常時武装監視し、日本側の接近を厳重に警戒しています。
【よりわかる】竹島問題を詳しく解説
概要がわかったところで、より詳しく竹島問題についてみていきましょう。
竹島の位置
竹島は女島(東島)、男島(西島)と呼ばれる2つの小島とその周辺の総計37の岩礁からなっており、単独の島ではありません。総面積は約0.21平方キロメートルで、東京ドーム5つほどの大きさがあります。
日本と韓国の主張の違い
そもそも日本・韓国がお互いに自分の領土だと主張しているので争いになるわけです。
では、お互いに主張しているコトを確認していきます。
竹島における日本の主張
・17 世紀半ばには竹島の領有権を確立。
17 世紀初めには、日本人が政府(江戸幕府)公認の下、鬱陵島に渡る際、竹島を航行の目標として、また船がかり(停泊地)として利用するとともに、あしかやあわびなどの漁猟にも利用していました。遅くとも17 世紀半ばには竹島に対する領有権は確立していたと考えられます。
・1905年に竹島を島根県に編入し、 領有意思を再確認。
島根県の隠岐島民が、本格化したあしか猟事業の安定化を求めました。
これに伴い、1905年1月の閣議決定により竹島を島根県に編入し、 領有意思を再確認するとともに、その後官有地台帳への登録、あしか猟の許可、国有地使用料の徴収などを通じた主権の行使を、他国の抗議を受けることなく平穏かつ継続して行っていました。
・サンフランシスコ平和条約において、竹島が日本の領土であることを確認。
第二次世界大戦後の我が国の領土処理等を行ったサンフランシスコ平和条約の起草過程において、 韓国は、同条約を起草していた米国に対し、日本が放棄すべき地域に竹島を加えるように求めました。
しかし、米国は「竹島は朝鮮の一部として取り扱われたことはなく日本領である」として韓国の要請を明確に拒絶しました。(米国政府が公開し た外交文書によって明らかになっています。)
そのような経緯により、サンフランシスコ平和条約では、日本が放棄すべき地域として「済州島、巨文島及び 鬱陵島を含む朝鮮」と規定され、竹島は「日本が放棄すべき地域」から意図的に除外されました。
つまり、
第二次世界大戦後の国際秩序において、竹島が日本の領土であることは明確に認められていたという事です。
※ サンフランシス平和条約とは・・・
日本が資本主義陣営に立つ48か国と講和し独立、主権を回復した条約のことです。
サンフランシスコ平和条約で日本は朝鮮の独立を承認し、台湾、千島列島、南樺太などの領有権を放棄しましたが、奄美群島・沖縄諸島・小笠原諸島は引き続きアメリカの施政権下に置くことなどが決められました。
竹島における韓国の主張
・韓国の官撰文献に竹島が自国の領土として記載されている。
1454年 『世宗実録』「地理志」・1531年 『新増東国輿地勝覧』等に竹島の記録があり、韓国が昔から独島を自国の領土としてきたことがわかります。
・安龍福が来日し、竹島が韓国の領土であると確認した。
17世紀に安龍福という朝鮮人が日本に渡り、竹島は朝鮮の領土であると抗議したことをきっかけに、日本と朝鮮の間で交渉が行われ、鬱陵島と竹島が韓国の領土であることが確認された、と主張しています。また、韓国は日本と朝鮮の交渉後、江戸幕府が鬱陵島への渡海を禁止したことにより、鬱陵島を朝鮮領と認めたと主張しています。
・竹島を「石島」として韓国領に編入する勅令(君主が直接発する命令・法令)を発出した。
「勅令第41号」第2条で「区域は鬱陵全島と竹島・石島(=独島)を管轄する」と規定することで鬱島郡の管轄区域に竹島が含まれていることをはっきり示しています。
ただ、この韓国の主張は正確ではないとされております。
韓国の主張は正確ではないとされる理由
日本政府としては、以下の理由により韓国の主張は正確ではないとしています。
・韓国の官撰文献に竹島が自国の領土として記載されている。
→韓国が引用した文献には竹島に関する記述がなく、竹島を領有する証拠とはいえない。また、韓国の主張には証拠資料と結論の因果関係が示されておらず、証拠資料の解釈も誤りが見られる。
・安龍福が来日し、竹島が韓国の領土であると確認した。
→韓国は、日本と朝鮮の交渉後、江戸幕府が鬱陵島への渡海を禁止したことにより、鬱陵島を朝鮮領と認めたと主張していますが、実際には交渉は決裂しています。
1696年1月に幕府が渡海禁止を決定した理由について、幕府の文書には、鬱陵島をめぐって「隣国との好を損なうのは得策ではない」と書かれており、見解に違いはあっても朝鮮との友好関係の維持に配慮したとされております。
また、幕府が渡航を禁止したのは鬱陵島であって、竹島への渡海は禁止されませんでしたそもそも安龍福は私人で、当時の朝鮮国は王朝とは関係がないとして、追認することもしていませんでした。
・竹島を「石島」として韓国領に編入する勅令(君主が直接発する命令・法令)を発出した。
→勅令の中で「石島(=竹島・独島)」と規定していると主張していますが、石島が竹島であるという根拠は示されていません。
もし勅令41号の「石島」が竹島を指すとしても、勅令の公布前後に韓国が竹島を実効的に支配した事実を示す証拠は示されておらず、韓国が領有権を確立していたということはできないとしています。
日本が第三者へジャッジを求め国際司法裁判所(ICJ)への付託を提案
このままでは埒があかないので、日本は国際司法裁判所へ判断を任せようと韓国側へ話しているものの、韓国側はこれを拒否しています。
ICJは紛争の両当事者が同裁判所において解決を求めるという合意があって初めて当該紛争についての審理を開始するという仕組みになっている為、韓国側が良しとしないと裁判が行えないのです。
ちなみに、韓国側の拒否理由としては、
日本政府の提案は司法の手続を装ったもう一つの虚偽の試みに過ぎない。大韓民国は独島に対する領有権を堅持しており、大韓民国が国際裁判所でこの権利を証明するいかなる理由もない。
としています。
※国際司法裁判所(ICJ)とは・・・
15名の裁判官で構成され、国際法に従って、国家から付託された国家間の紛争を解決し、正当な権限を与えられた国連の主要機関および専門機関から諮問された法律問題について勧告的意見を与えるという二重の役割を持っています。
現在の竹島について
【1分でわかる】にてご説明しましたが、竹島は現在韓国が実行支配しています。
なぜ実行支配できているかについて説明していきます。
「李承晩ライン」を引き、一方的に竹島を不法占拠
1952年1月、李承晩韓国大統領は 「海洋主権宣言」を行って、いわゆる「李承晩ライン」 を国際法に反して一方的に設定し、同ラインの内側の広大な水域への漁業管轄権を一方的に主張するとともに、そのライン内に竹島を取り込みました。
1953年には、不法漁業に従事している韓国漁民に対し竹島から退去するよう要求した海上保安庁巡視船が、韓国漁民を援護していた韓国官憲によって銃撃されるという事件も発生しました。
このラインが基になり、現在も竹島を占拠しているのです。
日本政府としては、竹島をめぐり韓国側が何らかの措置等を行うたびに厳重な抗議を重ねるとともに、その撤回を求めてきています。
さいごに
本件について、色々調べれば調べるほど情報が出てきて、どれを使用するか非常に悩みました。
それだけ注目度の高いものでもあるのと同時に、日本・韓国のプライド(のようなもの)もあるのかなと考えています。
ただ【潔白の人は簡単に裁判を起こせるが、裏がある人は裁判を起こせない】と考えているので、個人的な考えですが、最終的にはやはりICJへの裁判を拒否している韓国が誤っているのかなと考えます。
(実際はそんなシンプルな話ではないかもしれませんが)
これだけ時間・お金・手間をさいてお互い平行線を辿るよりも、自分が正しいと思うなら、第三者機関にお墨付きをもらったほうが話が早くて良いに決まっています。
裁判を行わない理由も納得のいくものではありませんし。
最終的にどうなるのか、気になる問題の一つです。
参考資料
・外務省(なぜ日本の領土なのかが ハッキリわかる! 竹島問題 10 のポイント)
・Wikipedia